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第79号 2005/1/1 世界が平和でありますように
新年おめでとうございます。21世紀に突入して5年目ということですか。私がこのコラムを始めたのがちょうど新世紀に突入した年ですから、かれこれ4年近くお世話になっていることになります。そして明るい未来、輝く新世紀を夢見ていた手塚ファンの私の幼少からの夢を裏切って、世界はどうやらまだまだ戦禍のカオスに飲み込まれていると言う状況です。
ロボット工学は進歩の一途をたどっているようですが、あの人間型ロボットの開発者達が何を目指しているかというと、もちろん全てではありませんが結局は手塚治虫の描いた未来を踏襲しているという事実は、本人達のインタビューを見ても明らかなように、手塚治虫が未来を予言していたわけではなく、未来を作る人々が彼の描いた未来を形にすることに向かっていたという奇妙な現実もあるわけです。
少し乱暴な解釈ですが『人間の愚かしさは時間(時代)に関係なく不変である』という悲しいテーマを持った手塚作品『火の鳥』は、その人類の絶望感を伝えようとしたわけではなく、分相応をわきまえた上で人類は何をすべきかということを問い掛けた作品であると言えます。
今から35年前に大阪で開かれた世界万国博覧会のテーマ『人類の進歩と調和』。しかし、結果的には『調和』を置き去りにしたまま『進歩』してきた世界は、手塚さんが警鐘を鳴らして描いてきた破滅に向かう未来しか示唆できないのではないでしょうか。あえて新年に一言。『世界が平和でありますように…』
(弓庭規生)
(2005年1月1日発行ツーカイネットスクラム第79号 掲載)
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