そらそーじょ!
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第57号 2004/2/6 初心忘れべからず
先日、夜中の一時頃ですが風呂上がりに犬のウータンの散歩がてら夜空を見上げていたら、それはそれは星空が美しいことにあらためて感動いたしました。そういえば五年前、東京から和歌山に帰ってきた時はあまりの夜空の美しさに二時間も空を眺めていたこともありましたし、『これからは天気のいい日はいつだってこの夜空を独り占めすることができるんだもんね』などと妙に興奮していたのです。しかし人間は慣れてしまうのです。そしていつしかそんな感動は『当たり前』の渦の中に埋没してしまって見えなくなってしまうのです。二十年間和歌山を離れて初めて気づいたと思っていた故郷に対する思慕の思い、もう絶対に離すまいと心に誓ったあの感情は、わずか五年間で再び『当たり前』のカオスの中に埋没しそうな事実に我ながら驚いている今日この頃でございます。とは言っても、まったく何もかも元に戻ってしまったかというと決してそんなことはなくって、子供の頃に遊んだ川や山や土手を歩いていると心がポカポカしてくるし、最初に書いたように今でもきちんと夜空を見上げて感動することもできます。
慣れというものは仕方のないことで、最初に感じた感動をそのまま持続し続けろと言われればとても難しいことでしょう。でもね、その感動を心の引出に仕舞っておいて必要なときにいつでも取り出せるようにしておくことならできそうな気がしません?忘れることで人間は成長する事もたくさんありますが、思い出す事で成長することもまたあるのです。『初心忘れべからず』今年の私の戒めでございます。
(弓庭規生)
(2004年2月6日発行ツーカイネットスクラム第57号 掲載)
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