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第56号 2004/1/23 神戸〜泣いてどうなるのか〜
去年の暮れで職場を退職した奥さんと、先日プチ新婚旅行ということで神戸と金比羅さんに行って参りました。車で行きたかったので近場を選んだということもありますが、金比羅さんはともかく神戸にはどうしても行きたい理由があったのです。
神戸元町駅から西に向かって『モトコータウン』という高架下の商店街があるのをみなさんはご存知でしょうか。今でこそ若者向けのファッショナブルなお店も見られますが、今から二十数年前私が頻繁に行き来していた頃はまるで戦後のヤミ市(たぶんこんなだったろうという推測ですが)のような雑然とした古着屋や骨董品屋や中古屋さんが軒を連ねていました。
学生の頃京都で『ほっこり屋』という古着のお店(店舗を持たずに学園祭やイベントに出店させてもらうわけです)をやっていた私は、そのモトコータウンの中にある『しまや』という古着屋で、船乗り達が着ていたカパカパになった革ジャンを仕入れてオイルで磨いて販売していました。
『しまや』は当時おっちゃん二人とおばちゃん二人の計四人で日本製の古着を外国の船員目当てに販売しているわりと大きなお店でした。私はそのお店でとってもお世話になっていたので、今回どうしても行って当時の話などをしたいなあと思っていたのでした。しかし…、お店はもう無くなっていました。そりゃそうだ。当時で六十歳位の人達だったもん。生きててももうお商売はできないもんね。その日この冬一番の寒気が近畿地方を襲いましたが、そんなこととは関係なく私の心はとっても寒かったのでした。
(弓庭規生)
(2004年1月23日発行ツーカイネットスクラム第56号 掲載)
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