新海南風物詩 作/平岡繁一

No.1 『海南は「文房四宝」の町』

和歌山県海南市 江戸時代の名所図会 筆捨松 硯石 「文房四宝」てなんかな、とも云える言葉であり、死語ともなっているんや、そやけど、書画を娯しみにしている方々にとっては、すぐわかるんや、
つまり文房具とか書斎の中の四つの宝物ということなんや、それは「墨・筆・硯・紙」のことで昔は宝といえる貴重なものであったんや。
正倉院の書類の中に、ある役人に対して年間に使用できる墨は、「一本と半分」とかに決められていたんよ。
いかに大切であったか解るんや、
そんな四宝が藤白界隈にあるんやから不思議と思わん、
先ず「墨」やけど、一〇〇〇年も前に藤白で作られていたことは、よう知ってらな。
次に「筆」やけど。藤白坂を登ってゆくと、筆捨松があんのは皆んな知ってるし、有名な物語りは紙面の都合で割愛するとして、この物語を聞いた紀州の殿さんであった頼宜公が、筆捨松を記念するため、松の下に「硯」の形を彫った大きい石碑を建てたんや、さらに不思議なことに、この場所は冷水の「白紙」という場所なんよう。
墨の外はそのものズバリではないのやが、四つが揃っているのは日本国中でもここだけや。こんな不思議な海南やから、これを海南の起爆剤にしたらどうならよう!!

(2007年5月25日発行ツーカイネットスクラム第136号 掲載)

平岡繁一プロフィール

郷土史研究家、古代墨(松煙墨)の復元、地球温暖化防止のための意識改革を推進する目的で活動している「和歌山ケナフの会」を創設などの様々な顔を持ち、多数の講習などもこなしている。海南駅前一番街に委託販売所『夢工房』をかまえる。

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